意外と知られていない失業保険の4つの給付

雇用保険には、基本手当である失業給付の他にも、キャリアを高めるために役立つ給付などがあります。ここでは意外と知られていない雇用保険や失業給付の活用方法を説明しましょう。

1-3意外と知られていない失業保険の4つの給付

失業保険は雇用保険制度の一部ですが、一般には「失業した際にもらえる給付金=失業保険」というイメージが定着しています。

「失業保険」という呼び方は、行政やハローワークなど公的には使われておらず、一般的に認識されている「失業保険」は雇用保険の中の「失業給付」のことを指します。この失業給付は、雇用保険の中で「基本手当」に該当するため、「雇用保険=失業保険」という認識が広まったようです。

しかし雇用保険には、基本手当である失業給付の他にも、キャリアを高めるために役立つ給付などがあります。ここでは意外と知られていない雇用保険の活用方法を説明しましょう。

雇用保険の種類

雇用保険とは、雇用に関する総合的な機能を有する国の制度で、雇用保険が給付されるためには、以下の基本的な条件があります。

  1. 会社を退職して失業状態になった場合
  2. 今の職場で働き続けることが困難な場合
  3. 賃金が著しく低下した場合
  4. 将来の仕事に役立つ教育訓練を受けた場合
  5. 労働環境が変わって出費が生じた場合

これらのそれぞれのケースに応じて、求職者給付や就業促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付という4つの給付金が設けられています。

自分がどのケースに該当するかは、ハローワークで相談するのが良いですが、まずは4つの給付金について確認しておきましょう。

1.再就職を支援するための「求職者給付」

退職後に転職活動をする際に、条件を満たせば雇用保険(失業保険)の失業等給付を受けることができます。

失業保険の受給要件

失業保険の受給条件としては、以下の4つの条件を満たす必要があります。

  1. 失業状態であること
    労働意欲があり、積極的に仕事に就くための活動をしていながら、仕事に就くことができない状態を指します。
  2. 退職日以前の1年間に雇用保険加入期間が6ケ月以上あること
  3. ハローワークに離職票と雇用保険被保険者証を持って、受給資格を得る手続きをすること
  4. 初回説明会に参加して、4週間おきに失意業状態であることを申告するためにハローワークに出向くこと

給付金額と日数

受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」といい、原則として退職前の賃金の総額を180で割った賃金日額から計算しますので、おおよそ離職前の5割から8割に相当します。

基本手当の給付日数は90日から360日で、年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職の理由などで決定します。

倒産や解雇などにより再就職の準備をする時間的余裕なくして離職を余儀なくされた場合には、一般の離職者に比べて手厚い給付日数となることがあります。

税金と社会保険

また、失業保険には所得税はかかりませんので、確定申告する必要はありません。ただし、社会保険の面では収入として扱われるので、130万円を超える額を受給している間は、国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。

2.働く能力を伸ばすための支援となる「教育訓練給付」

教育訓練給付制度とは、働く人の主体的な能力開発への取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図るものです。

条件は

  1. 雇用保険の被保険者であった期間が3年以上あること
  2. 在職者または離職者が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合
  3. 教育訓練の受講修了日の翌日から起算して1ケ月以内に支給申請手続きを行うこと

支給額は、教育訓練経費の20%に相当する額で、10万円を超える場合は10万円です。

3.再就職のための「就業促進給付」

失業保険を給付している間に就職したときは、速やかにハローワークに報告しなければいけません。

つまり失業保険をもらった日から就職した日の前日までの失業期間の認定を受けて、失業期間分だけの失業保険をもらいます。その上で就業促進手当を申請することで、一時金が追加で受け取れる可能性があります。

4.雇用が原因で生活レベルが低下した場合の「雇用継続給付」

たとえば、60歳以上65歳未満の高年齢者で、定年前の給料よりも大幅に下がった人が対象となるのが高年齢雇用継続給付金です。

労働者本人がハローワークで申請することで、すでに下がってしまった現在の給料と以前の給料を比較して、一定の率で計算した給付金が支給されます。

また雇用継続給付には、育児休業給付や介護休業給付などもあります。

まとめ

会社員である場合等は在職時に雇用保険料として、給与の0.5%を納付しています。雇用保険制度を上手に活用して、再就職を円滑に進めましょう。