社会保険(厚生年金保険・健康保険)について、転職時に気をつけなければならない事とは?

転職をスムーズに行うためには、転職先への準備だけでなく、退職する会社への様々な配慮が必要です。特に退職のタイミングに関しては、まわりの人や後任者への業務引継ぎなどを考慮して決めましょう。ここでは、退職日を設定する際の注意点についてご紹介します。

6-4退職日に注意すること

転職をスムーズに行うためには、転職先への準備だけでなく、退職する会社への様々な配慮が必要です。特に退職のタイミングに関しては、まわりの人や後任者への業務引継ぎなどを考慮して決めましょう。ここでは、退職日を設定する際の注意点についてご紹介します。

退職日の交渉は早目に行う

労働者がある特定の日付で退職したい場合には、法律上、そこからさかのぼって2週間前までには退職願を提出しなければなりません。ただし、その期間は企業ごとに異なります。1ヶ月前までに申し出るようになっている会社が多いので、会社の就業規則を確認して従ってください。

まずは残務整理や引き継ぎなどを考慮して、直属の上司に口頭で伝えましょう。くれぐれもいろいろな人へ言いふらしたりはしないことです。

相談するタイミングや退職時期などは、決算期や忙しい時期を避けるなど、社会人としての誠意ある配慮も必要です。その上で具体的な退職日は、上司と話し合って決めましょう。お互いが納得できる日程を考えることで、極力迷惑をかけることなく退職することが可能になります。

転職先と重複しないように退職日を設定する

転職が決まると転職先からは早く入社してほしいと言われたり、退職する会社での業務の引継ぎがあったりと、退職日の設定には双方の調整が必要な場合があります。

さらに、退職日の設定については、会社間の調整だけでなく、規則や保険の関係上さまざまな注意が必要です。

副業違反にならないように注意

もし、転職先企業の入社日が決まっている場合、数日でも重複して在籍すると問題が生じることがあります。社員の副業については、法的な制限はありませんが、それぞれの副業を禁止するかどうかはそれぞれの会社の判断になります。

そのため、どちらか一方でも副業禁止の就業規則がある場合は、副業違反になってしまう可能性があります。そのような場合、信用を失い仕事に支障をきたす場合もあるので、現職の退職日と転職先の入社日が重ならないように、退職日を設定しなければなりません。また、現職の有給休暇中であっても重複期間がないように注意してください。

退職時に社会保険で注意すべきポイント

社会保険(厚生年金保険・健康保険など)の資格取得日は、入社日となります。ところが前職を離職しておらず、資格が喪失していない場合は、転職先の企業では社会保険の手続きが行えないことになります。

一方、退職日が月末である場合には注意が必要です。

各種保険の手続きは、下記のようになっています。

  • 資格取得日は、入社した「当日」
  • 資格喪失日は、退職した日の「翌日」
  • 社会保険料の徴収は、資格取得つきから資格喪失月の「前月分」までを徴収

つまり退職日が資格喪失日ではないということです。

具体的に説明しますと、3月31日の月末退職の場合、4月1日が資格喪失月となるので前月の3月分までは徴収されますが、3月30日退職の場合は、資格喪失が3月31日になるため2月分までの徴収となります。

社会保険料の納付手続きでは前月分の保険料を当月末に納付するので、通常は入社した月の賃金から社会保険料の控除を行わず、退職した月で調整します。そのため、月末退職者の場合は、最後の賃金からの社会保険料控除は2ヶ月分となります。

老齢厚生年金への影響は?

すぐに次の転職先が決まっていない場合には、月末退職すれば資格喪失が翌月になるので、厚生年金保険料を納付する機会が1ヶ月増え、被保険者期間の月数が増えることになります。

つまり、たとえ1ヶ月でも年金の受給額が増えることになるわけです。一般的に、年金は長期支給なので、1ヶ月とは言え受給額に影響がでるので注意しましょう。

翌日に転職先が決まっている場合は、転職先で社会保険加入の手続きをしてくれるので、同日取得喪失となります。(資格喪失と転職先の資格取得が同月である場合も、引き続いて扱われます)

転職先が決まっていない場合は健康保険の手続きを

健康保険も同様に、退職日の翌日に被保険者の資格を失いますので、退職と同時に加入手続きをしなくてはいけません。すぐに転職先が決まっていない場合は、国民健康保険などに新たに加入しなくてはいけません。自分で市役所や区役所に赴いて、手続きを行う必要があるので忘れないようにしてください。

まとめ

スムーズに転職を行うためには、退職日の設定は慎重に行う必要があります。月末に退職する場合は、社会保険などの諸事情を考慮したうえで退職日を決めることが重要です。また、次の転職先が決まっている場合には、在籍期間が重ならないようにしましょう。